遊記に出てくる八仙
「東遊記」は、実は半分が登場人物紹介。
八仙の一人一人が、それぞれどうして仙人になったのかという経緯から物語が始まります。
はい、ではまずメンツの紹介~!
李鉄拐、漢鐘離、藍采和、張果、何仙姑、呂洞賓、韓湘子、曹国舅
登場順にざっと並べてみました。
創作の方、「大歳公韓湘子全伝」なんて物々しいタイトルつけてる割に、
東遊記ではまるっきり存在が空気な韓湘子です。
でもビジュアルは清涼な二枚目という感じ。
だって笛吹きだし、ぶっちゃけそこが強みですよ。
どちらかと言えば、三枚目は呂洞賓の方。
色ボケになったり、
下界の戦争引っ掻き回したり、
挙句に責められて地面に頭こすり付けてのは全部コイツに他なりません。
中国では一番人気のある仙人みたい。彼を祀り立てた廟などもあります。
ただしこの「指南宮」、カップルで行くと必ず別れる場所として有名なのです。
何でかっていうと・・・
同じく八仙の何仙姑に、熱烈なラブコールを送ったけど相手にされない呂洞賓が、
そこら辺にいるカップルを腹いせに引き裂くという謂れがあるからなんだそうな。
何てハタ迷惑なヤツ。
知れば知るほどダメ男、というのが呂洞賓。
「東遊記」でも、また別の女を引っ掛けてセクロス。
最初は本当にまともな印象なのに、途中から突っ込みたくなった。
お前は一体何キャラなんだ。
そんな呂洞賓も創作漫画には出てきます。
まあどんなキャラに仕上がるかは、出来てからのお楽しみという事にしておいてください。
さてさて、一番目立ってる呂洞賓の話はこの位にして、別の方も紹介します。
まずは李鉄拐。
要所要所で意見は分かれますが、私はこの人が八仙の筆頭ではないかなと思います。
多少やんちゃ(?)な性格で、すぐかっとなったりとか、呂洞賓に次ぐトラブルメーカーです。
後やっぱり、このじさまも何仙姑を口説きます。
この方の被害に遭われた人は、他にも・・・。
一番はどう考えても、漢鐘離でしょう。
漢鐘離は最初下界で軍の将軍をしているという設定なんですが、戦で勝ちまくってる時、李鉄拐に邪魔をされ、落ち延びた所で仙人になれと勧誘された人です。
普通なら「お前ふざけんなよっ!」、と言ってもいいのに「分かりました」とアッサリ承諾。
その他にも彼には受難が多く、弟子である呂洞賓が下界にちょっかい出して悪戯に戦を引っ掻き回した時も、尻拭いさせられてました。
それでも呂洞賓は出来る子とか言ってる。
そんな訳で、漢鐘離は私の中でいい人過ぎる印象しかない。
藍采和は八仙の中で、唯一元から天界にいる仙人。
それでなのか、ちょっと・・・いや、かなり電波。
まあ仙人って、基本電波だけど。
男か女かハッキリしない、中性の不思議ちゃん。
歌を歌いながら狂った感じで踊ってるのがデフォルトみたいです。
たださ・・・、他人のロバ(張果の)さらっと盗むなよ。自分宝盗まれて仲間に泣き付いてただろ。
そんな訳で、次はそれ以上に、ミステリアスな存在の張果老のご紹介。
張果“老”とつくように、この人のビジュアルは大抵白髭の長老。ロバに後ろ向きにまたがり、ゆっくりしたペースで移動するのに誰も追いつけないという。
とある道士の話では、その正体は「混沌の世」から存在した白こうもりの精・・・らしい。しかもそれが判明した直後、結構グロテスクに、秘密バラした道士を殺しちゃいます。
若干ホラーが入ってますよ。
ただし、八仙の中にいる張果といえば、酒が入って調子にのった呂洞賓含む八仙の面々を、一人で諌めようとするなど割と常識的です。
何仙姑はなんと言っても唯一の女仙。
さっきから彼女は周りに口説かれてばかりなのですが、全然落ちる気配が無い。
いわゆる干物女。
と、酷い言いようですが、強かに生きてる感じの女性。結構、口も達者です。
李鉄拐と共謀して、色ボケの呂洞賓を懲らしめようとするなど、
中々の恐妻ぶり・・・じゃない?
石の粉食べて、空気より軽くなったらしい。
八仙の中でも曹国舅は一番最後に仲間になってます。
え~と、この人について特筆する事って・・・特にないな(爆)
いや、皇后の弟さんだから、実はめちゃめちゃサラブレットって所は凄い。
実際、八仙の中では珍しく高い品格ww
そして、敢えて最後に持って来ました、韓湘子。
コイツ本当に何もしてない。
最初にいいましたが、コイツ本当に何もしてないっ・・・!(大切なので二回言った)
まあね、文豪である叔父さんを窮地から救ったというエピソードは・・・とりあえず置いといて・・・。
八仙の中での彼の功績は、土下座して謝る呂洞賓に怒り心頭の李鉄拐を軽く宥めたくらい。
「まあまあ二人とも、酒でも飲んで頭冷やせ」ってな感じで。
マジクールすぎる。
それでも何故か「全伝」があるのは韓湘子だけで、
私とすれば、マイナー心がくすぐられて余計に気になる存在です。
彼は有名な文豪、韓愈の甥っ子という設定なんですが・・・
創作ではそんな設定さっぱり無視しております。
そこはまあ・・・元ネタは元ネタ、創作は創作・・・(逃げたな)
他の八仙たちも、創作の方では大分キャラと設定違ってきますのであしからず。
2011/02/01 ブログ記事にて
※後で調べてみたら「土下座」って文化は中国にないみたいです。正しくは「叩頭」。
でもこの場面の意味合いって、限りなく「土下座」に近い感じはする。
この件に関する記事は次の項で取り上げます。

